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2024年の振り返り
2024年12月26日
みなさんこんにちは。社長の横川です。今年の主な成果と今後についてご説明いたします。
2024年はPPMX-T003(以下T003)による真性多血症(PV)患者さんでの第I相試験を完了しました。治験対象となる国内の患者さん数が当初想定より少なく、時間がかかり苦しい開発となりましたが、12月の米国血液学会(ASH)で発表し、試験結果を説明することができました。PVは、最近、医療関係者や製薬業界関係者の関心が高くなっており、競合となる候補薬が次々と開発されていますが、全く新しい作用メカニズムであるT003を使った新規治療薬を早く患者さんに届けたいという思いは変わっておりません。PVとは別の対象疾患であるアグレッシブNK細胞白血病(ANKL)の患者さんを対象とした医師主導第1/2相試験も国内で実施中ですが、超希少疾患であるため、被験者登録に時間を要しており、2026年3月まで治験を延長することとなりました。
PPMX-T002(以下T002)は、放射性同位体(RI)をα線のアクチニウム225に変更し、高い薬効が確認できましたので、当社としては初となるEANM(欧州核医学会)での発表を行いました。
T002、T003の導出確度につきましては、相手先がありますので詳細をご報告することはできませんが、誠心誠意、今期中の導出を目指している状況です。
ADCであるPPMX-T004(以下T004)は、高い合成技術力を有するUBE株式会社と協力して開発を進めています。10月には同社と共同研究契約の締結を発表し、T004にとどまらず幅広いADCの開発を進めていくことで合意しております。T004は動物実験で非常に高い抗腫瘍効果が得られ、EACR(欧州癌学会)で発表しました。薬効と毒性バランスの最適化が次の課題ですが、やや進捗に遅れが出ているため、年末年始も実験を継続してできる限り早くリンカーと薬剤、抗体の最適な組み合わせを決定したいと考えております。
将来布石として取り組んでいる、抗体創薬で先を行く革新的な技術の構築においては、第2世代のファージライブラリ完成が間近です。これは、AI創薬へ進む第一ステップとなるものです。その他、シングルセルによる効率的な抗体取得など、当社創薬における効率化と高難度抗原に対する抗体取得技術を進歩させていく取り組みを行っております。
また、当社の売上を支え、アカデミアとの連携に重要な抗体研究支援や、抗体・試薬販売においても、新製品を発売しました。今期中に新たな製品、サービス発表もお知らせできると思います。
今年はノーベル化学賞受賞でAI技術への注目が集まり、「創薬AI」をテーマとして複数のメディアの取材を受けました。当社としては、AIが創薬にどう役立つのかご説明するとともに、こうした放送や新聞掲載を通じて、当社の認知度向上にもつながればと考えて取材をお受けしました。当社はIR活動にも力を入れており、難解なバイオ研究開発をなるべくわかりやすく、皆様へタイムリーにお伝えできるよう引き続き努力して参ります。
最後になりますが、皆様におかれましては健やかな年末年始をお過ごしください。来年もどうぞよろしくお願いいたします。