ペルセウス通信

PPMX-T003の真性多血症第I相試験の期間延長について

2023年02月07日

皆さんこんにちは。ペルセウスプロテオミクス代表取締役社長の横川です。 本日発表したPPMX-T003の第I相試験(P1)期間の延長により、株主の皆様、関係者の皆様にはご心配をおかけして心苦しく思っております。ぜひ背景等の詳細をご説明させてください。

この試験は、健常人で安全性が確認された投与量0.25mg/kgから最大1.0mg/kgまで段階的に投与量を増やしていき、真性多血症(PV)患者さんに対する安全性を確認するための試験です。6名の患者さんを組入れ対象としておりますが、ハイドレア等の抗がん剤やジャカフィ等、既存治療薬を使用している患者さんは対象外となります。これは、他の治療薬と組合せた場合の安全性が確認されていないためです。また、健常人でのP1では、T003の投与によって赤血球の低減傾向が見られましたが、PV患者さんで同様の効果があるかどうかは現段階で未確認のため、既存治療薬を使用している患者さんを除外しました。そのため、治験の対象となる患者さんの数は残念ながら限られております。

これに加えて、当初の組入れ基準では、EPO(赤血球産生を促すホルモン)の数値が低値で、かつ骨髄生検等を必要とするWHOの診断規準を重視してPVと診断された患者さんを治験対象としておりました。しかし実際の臨床現場では、瀉血の影響によってEPO値が高くなるケースがある等、この基準に合致しない患者さんが多数いらっしゃることがわかりました。このため、昨年組入れ基準を修正し、治験実施施設も当初の3か所から増やす対応を行っております。しかしながら、現時点で残る3名の方の治験登録が未確定のため、今般の期間延長をPMDAに申請したものです。

皆様の中には「こんなに進まないなら今後の治験もさらに遅れるのでは?」と不安を抱く方もいらっしゃると思いますが、PVの治験では、既存治療薬を使用している患者さんが除外されるP1が最も進みにくいステージと考えられます。今回のP1で、安全性とともに副次的に治療効果が確認されれば、次相以降では既存治療薬を使用している患者さんも対象とすることが可能になるため、リクルートは順調に進むと見込んでおります。

また、これまでT003を投与した3名の患者さんの経過は良好であり、大きな問題も発生しておりません。当社としましては、P1を2024年3月までに無事完了し、治験データを揃えて本格的な導出活動に臨む所存です。皆様におかれましては、当社へのご理解、ご支援を賜りますようよろしくお願い申し上げます。