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PPMX-T003:大阪大学との共著論文および欧州学会での発表について
2024年06月28日
みなさんこんにちは。社長の横川です。
血液分野の世界的な学会誌「Leukemia」に掲載された大阪大学微生物病研究所の幸谷愛教授のグループの研究成果につきまして、簡単にご説明します。PV治療薬やANKL治療薬の候補として開発中のPPMX-T003ですが、この研究はANKLに対する治療効果の作用メカニズム解明に大きく貢献するものです。がん細胞は,急速な細胞増殖を維持するため、細胞内代謝が盛んで,通常の細胞よりも大量に外部から栄養を取り入れています。そのため細胞表面上にある、糖やアミノ酸などの栄養を取り込むトランスポーターが通常よりも多く発現し、旺盛な増殖を維持しています。同研究グループは種々の実験から、T003の治療効果が発揮されるには、アミノ酸のトランスポーターであるLAT1が活発に働く必要があることを初めて見出しました。ANKLにおいては、アミノ酸が豊富な肝臓類洞内で栄養摂取に関わるLAT1が活発に働いている状態で、PPMX-T003の治療効果が顕著に発揮されることが示されたのです。今後LAT1が治療効果を予測するマーカーになることが期待されます。
また、幸谷先生と栁谷先生は、今月13~16日に開催された欧州血液学会(EHA)2024でもこの内容を発表されました。あいにく当社は本学会には参加できませんでしたが、栁谷先生は「T003の治験についても口頭で説明したところ、欧州の先生方から大変興味深いとの声が多数寄せられました」とおっしゃっていました。オーストリアの先生の中には、幸谷先生、栁谷先生達の「Blood」誌掲載論文を読んで、ANKLの新たなモデルマウスを樹立された方もいらっしゃったそうで、予想以上の反響が得られたとのことでした。
幸谷先生、栁谷先生達の研究により、T003の詳細な姿がさらに解明されると期待しております。皆様におかれましては、引き続き当社へのご理解・ご支援のほどよろしくお願いいたします。