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2023年の振り返り
2023年12月27日
みなさんこんにちは。社長の横川です。
昨日の夕方PPMX-T003の日本での特許登録という嬉しいニュースも飛び込んできましたが、ご覧いただけましたでしょうか。当社の年内最終営業日は明日ですが、ここで今年1年を振り返ってみたいと思います。
2023年はPPMX-T003(以下T003)の真性多血症患者さんでの第I相試験において、患者さん6名の登録が完了しました。3名への投与は終了し、残る3名の患者さんに対する投与が継続中ですが、米国血液学会(ASH)をはじめとする国内外の学会でも発表したとおり、中間報告では非常に良好な結果が得られており、引き続き治験終了まで全力で取り組みます。ASHの発表では、海外の臨床医師からT003の最適な活用方法について、欧米での臨床状況に沿ったアドバイスもいただきました。これらも参考にしながら導出に向けた準備を進めてまいります。
同じくT003のアグレッシブNK細胞白血病(ANKL)の医師主導第I/II相試験では、2名の患者さんへの投与が行われました。希少疾患であるため、患者さんの組み入れ対策として血液内科の先生方のご協力の元、全国7か所に治験実施施設を設けました。また、ANKL初発の患者さんは診断が難しいことから、内科(一般、消化器)を受診するケースも多いと考えられます。このため、内科の先生方へのご協力もお願いし、患者さんが見つかった際には迅速に治験に参加いただけるよう、継続的に手立てを講じております。
PPMX-T002につきましては、T003と同じく来期中の導出という最大目標に向けて、導出先の選定を進めております。新たなADCとして開発中のPPMX-T004では、抗体に結合させる薬物とリンカーの最適な組み合わせを決定すべく、現在毒性試験の準備を進めております。
今年はまた、当社の売上を支える抗体・試薬販売で3つの新製品を発表したほか、シングルセル・クローニング技術という新たな抗体作製技術を導入して、抗体研究支援サービスの拡充も行いました。さらに、東京大学の津本研究室との血液脳関門(BBB)通過抗体の基礎研究や、次のパイプライン創出のための標的探索、基盤技術のブラッシュアップにも取り組んでおります。
創薬、基盤技術研究の推進以外では、HPの全面リニューアル、ペルセウス通信の発信頻度向上や決算説明会資料の充実、企業説明マンガなどにより、当社とその事業をさらにご理解いただけるように取り組みました。今後も引き続きわかりやすさの改善に努めてまいります。海外、特に米国の創薬ベンチャーが市場の大きさや資本力を背景に勢いを増していますが、日本のベンチャーの強さを世界に示していきたいと思います。
来年は収穫の年にしたいと考えております。皆様におかれましては健やかな年末年始をお過ごしください。来年もどうぞよろしくお願いいたします。