2023年12月11日
みなさんこんにちは。社長の横川です。 12/9(土)(日本時間12/10(日))、第65回米国血液学会(ASH)年次総会の初日に、PPMX-T003(以下T003)のPV患者さんでの治験中間報告が行われました。中間報告は、関西医科大学の伊藤量基先生、大阪公立大学の髙桑輝人先生と共同研究者、そして当社のCTO松浦執行役員の共著です。現地では、2時間のポスターセッション(説明と質疑)の間、髙桑先生が説明を行い、多くの来場者から質問を受けました。当社からは事業開発顧問と私の2名が参加しました。 1958年に創立されたASHの年次総会は、例年25,000人以上が参加するため、開催地の最大のイベント会場を占有して行われます。私は12/7にサンディエゴ入りしましたが、混雑緩和のため空港ロビーにもASHの受付ブースが複数設置されていました。会場では、再会を喜び合う医師達の独特の雰囲気に、ASHが年に一度の血液専門医の情報交換コミュニティなのだと感じました。 ASHの構成は、教育プログラム(最新の治療ガイドラインなど)、サイエンスプログラム(最新の治療動向や研究に関する発表)、アブストラクトプログラム(1日数百件の異なる発表が3日間続く血液疾患の研究に関するポスター発表とその解説および質疑)、企業展示の4つです。このうち研究発表のメインはアブストラクトプログラムです。発表件数が多いため、来場者はあらかじめ興味ある発表を選び、該当ポスターを訪れ発表者の話を聞き、意見交換を行うスタイルです。 今回私たちは、国内学会での中間報告に4例目から6例目までの投与状況を新たに加え、患者さんにおけるT003の現時点までの安全性・有効性の確認状況を報告しました。医師からは、作用原理、副作用の状況、投与間隔と有効性(投与後3か月以上瀉血不要で、半年以上、場合によっては1年以上の瀉血不要期間が続く患者さんがいること)などに関する質疑が多くありました。製薬企業の方も複数来訪されて当社のポスターを写真に収めるとともに、次の開発計画などについての質疑があり、発表の手ごたえを感じました。医師と製薬企業の双方ともに臨床データに強い関心が示され、T003が臨床的に確認されたことが前向きに評価されと受け止めております。欧州の専門医からは「すばらしい治療薬を見つけたね。いつ頃治療に使えるか」と訊かれ、大変勇気づけられるとともに、新規医薬品ではヒトでの臨床試験結果が何より重要であることを改めて実感しました。 本治験は今期中に終了する予定で進めており、来期の導出に向けた交渉がいよいよ本格化します。 皆様には、引き続き当社へのご理解・ご支援をよろしくお願いいたします。 髙桑先生とともに 説明を行う髙桑先生 賑わう会場の様子