ペルセウス通信

第450回CBI学会講演会で東大・中木戸先生が講演を行います

2023年11月29日

みなさんこんにちは。社長の横川です。
12月5日、第450回CBI学会講演会において、当社が共同研究している血液脳関門(Blood Brain Barrier、以下BBB)の探索研究に関係する講演が行われますのでご紹介します。登壇されるのは、共同研究先である東京大学・津本研究室の中木戸講師で、演題は「トランスフェリン受容体に対する機能性抗体開発を指向した物理化学的解析」です。当社にとって、本研究は次期開発候補を創生するための基礎研究のひとつで、中長期の重要な研究テーマです。

CBI学会は、化学(Chemistry)、生物学(Biology)、情報計算学(Informatics)という3つの分野に関わる先端的な研究開発の基盤構築をめざす、1981年設立の学術団体です。医薬品や生物医学の研究者向けのセミナーやワークショップを開催するとともに、専門を異にする産学官の研究者の交流を促進しています。今回の学会講演会では「次世代ペプチド・抗体創薬ブレークスルー・テクノロジー ~未開の創薬標的への到達~」をテーマに、最新のテクノロジーが紹介される予定です。

津本研究室の津本浩平教授は、抗体に関する基礎研究で国内トップレベルの研究を行っており、当社の顧問でもあります。中木戸講師は、津本研究室でBBBを通過する抗体の構造と物性に関する研究に取り組んでいます。

脳にはBBBという組織があり、色々な物質が簡単に脳に入り込まないよう、大切な脳を守っています。一方、このことが、脳疾患用の薬剤が脳へ到達することを難しくしています。JCRファーマ社が、初めてトランスフェリン受容体を用いて脳へ薬剤を運ぶことに成功したことをきっかけに、BBBを通過する薬剤の研究開発が世界で活発に行われています。先天的な酵素欠損症やアルツハイマー型認知症等、治療法が確立していない脳疾患は多数あり、BBB通過技術によって多くの患者さんを救えると期待されています。

当社にはPPMX-T003を見出した過程で得られた、T003とは異なるたくさんのトランスフェリン受容体抗体があります。これらを活用して、BBBを通過するための構造や性質を調べるのが目的です。当社の研究者は中木戸先生の指導下で、T003周辺や新たなトランスフェリン受容体抗体を用いて、BBBを通過できる優れた薬剤の基礎研究を行っております。

皆様には、引き続き当社へのご理解・ご支援をよろしくお願いいたします。

CBI学会URL
Chem-Bio Informatics Society