ペルセウス通信

本社移転について

2022年11月16日

みなさんこんにちは。ペルセウスプロテオミクス代表取締役社長の横川です。 立て続けの投稿ですが、本日発表した本社移転について、背景等を詳しくご説明したいと思います。 当社は、設立翌年の2002年より、東大先端研のすぐそばにある小ぶりのビルの3階からスタートしました。各フロアが1室だけの5階建てで、2階、4階、5階と徐々に借り増しし、現在は1階駐車場を除く全フロア(ビル1棟)を借りています。これ以上の拡大余地はもうありません。

そうした中、昨年6月の上場を節目に、事業計画達成の観点から研究開発の加速を目指し、新規採用や研究機器の導入を継続的に進めております。創薬に燃える(実験が大好きな)研究者は新規設備を導入すると目を輝かせますし、実験の精度もぐっと上がります。一方、当社は赤字が継続しており、これまで「移転」という選択肢はありませんでした。そのため、研究者や研究設備が増える毎に工夫をし、なんとかやりくりしてまいりました。

しかしながら、現在の社屋では工夫も物理的な限界を超えました。また、別の場所にラボ用の追加スペースを借りたとしても、研究効率が悪く、成果は上がりません。今回の移転先は、探索研究、臨床開発、受託研究、抗体・試薬販売の各部門、さらに管理部門や経営陣も含め、全員が1フロアで執務可能な物件です。ここならコミュニケーションもより活発になり、ベンチャーならではの迅速な意思決定を行い、会社を成長させることができる―この機会を逃すと次に良い物件に出会うのはいつかわからず、さらなる成長のタイミングを失うと直感しました。

20年間の研究開発を支えてきた現在のラボには、まるで学生時代の大学のラボのような愛着を感じて寂しいと思うベテラン社員もおります。逆に、「ラボ環境としては狭いし古すぎだ。大学でもここまでの環境は今や珍しい」「研究効率が間違いなくアップするので移転が待ち遠しい」という新人研究者の声もあります。経営陣の間では、今のままでとにかくやるという精神論や、効率的な研究開発推進や優秀な人材確保には移転が不可欠という現実路線など、様々な意見を踏まえて討議を行った結果、今回の移転の決議に至りました。

東京都目黒区から東京都中央区への本社移転は定款記載事項の変更となり、株主総会でのご承認が必要です。上場達成後も全く環境的な変化がなかった当社ですが、創立以来の大きな環境変化を迎えようとしています。株主の皆様には、是非ご理解を賜りたく、よろしくお願いいたします。