抗体とは
抗体は、私たちの体内で作られるたんぱく質で、ウイルスや細菌などの異物(「抗原」といいます)を排除して体を守ります。
抗体は、抗原に結合する2つの腕をもったY字型をしています。腕の先の部分で抗原と結合しますが、抗体一つにつき、一種類の抗原とだけ結合します。抗原と抗体は鍵穴と鍵のような関係にあります。私たちの身体は、どのような抗原に対しても、それぞれの抗原に対応する抗体を作ることができます。
抗原Aには抗体Aだけ、抗原Bには抗体Bだけが結合します
抗体医薬品とは
抗体医薬品は、このような抗体のしくみを利用したくすりです。病気の原因物質に結合する抗体を人工的につくり出し、体内に入れて病気の原因を排除します。私たちの体に元々備わったしくみなので、安全性が高いことが特長です。また、ヒトの抗体に近い構造の抗体をつくれば、安全性はさらに高まります。
抗体医薬品の作製方法
動物を使う方法(ハイブリドーマ法など)
抗原を免疫した動物から抗体を作り出す細胞を取り出し、これを無限増殖できるように作り変えることで、大量の抗体を生産できるようにする方法です。
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動物を使わない方法(ファージディスプレイ法など)
動物を使わない方法はいくつかありますが、このうちファージディスプレイ法は、2018年にノーベル化学賞を受賞した、試験管の中で抗体をつくる方法です。ヒトの抗体そのものをつくることができるため、広まりつつあります。
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抗体医薬品市場
抗体医薬品は、このような抗体のしくみを利用して、ねらった病気の原因物質のみを排除します。このため安全性も高く、がんやリウマチなど、幅広い病気に対する医薬品として活用されています。抗体医薬品の売上高は2026年にはおよそ2,800億ドルまで増加すると予測されています。
一方で、形が複雑な抗原に対する抗体をつくり出すのは難しいため、抗体医薬品の標的は多数残されたままです。
抗原と抗体とは鍵穴と鍵のように1対1で対応します。複雑な鍵穴に対応する鍵をつくるのが難しいように、複雑な形の抗原に対応する抗体をつくるのは困難が伴います。
当社の強み
当社独自の優れた抗体技術によって、まだ作り出せていない抗体を取得し、画期的な医薬品候補として開発しております。
ファージ抗体ライブラリ
ファージディスプレイ法で使う試験管の中には約1,000億個の抗体が詰まっています。これを「ライブラリ」と呼びます。
当社は多様性の高い独自の抗体ライブラリを使用することで、目当ての抗原にしっかり結合する抗体を得ることができます。
ICOS法(目当ての抗体を取り出すスクリーニング法:特許第4870348号)
多数の抗体の中から目当ての抗体を効率的に取り出す独自の手法「ICOS法」も開発しました。(特許第4870348号)
パイプライン
現在開発中のパイプラインをご紹介します。
PPMX-T002からPPMX-T004という3つのパイプラインを進めております。このうちPPMX-T003は、真性多血症のP1が2024年6月に終了し、現在アグレッシブNK細胞白血病(ANKL)の医師主導治験が行われております。
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