株式会社  ペルセウスプロテオミクス
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製品情報
用語説明

あ行

エピジェネティクス
ゲノム構造が明らかになるとDNAの配列に書き込まれた情報ではなく、染色体に記憶される情報があることが注目されてきた。この情報はDNAのメチル化やDNAを取り巻く蛋白であるクロマチンの修飾として知られるようになってきた。例えば、クローン羊ドリーが遺伝情報では羊の全てのセットを持っていながら、短命であることは、元になった乳腺細胞が既に受精卵の卵子と精子からできたセットとは違う変化を遂げていることを示している。がんやいくつかの疾患はこのコントロールが外れたことに起因することから注目されている。
エピトープ
抗体が認識する抗原の構造、アミノ酸や糖、DNA、などの配列や高次構造を指す。
オーファン受容体
機能が未知であるが遺伝子の類似(相同性)から受容体遺伝子と認められたが受容体を指す。刺激となるリガンド分子が未知でありどのような細胞や外部の刺激を認識しているか不明な状態のものを言う。広義には細胞表面のGPCR受容体も含まれる。核内受容体の場合には、研究が進むことによってリガンドが同定され脂質や糖代謝に関わる創薬に重要な受容体がオーファン受容体から見つかっている。

か行

抗体
生体が異物を認識して排除するために作るタンパク質。抗体は異物(抗原)の構造に応じて1対1(鍵と鍵穴)の関係で合成され、異物に結合しその毒性や病原性を中和する。また、マクロファージといった免疫細胞による捕食を助け、異物の生体から排除に寄与する。
抗体という分子の多様性は何億通りもあり、分子を見分ける道具としても使用される。これを応用し、組替え技術で合成した抗体分子は癌や感染症、疾患を診断・治療する医薬品として利用される。
がん
生体の正常な調節をはずれ悪性化して増殖する細胞塊。急速に増殖して正常な組織に浸潤しその機能を阻害し、死に至る。感染症が駆逐された先進国では死因の過半数を占めるようになった。 近年、ゲノム情報や遺伝子の発現解析の技術が進歩した結果、様々な正常細胞とがんの違いを利用して、がんのみに発現するタンパク質を分子標的にして抗体医薬を用いた癌の治療方法の開発が行われている。
核内受容体
転写因子のうち脂溶性低分子のシグナルを細胞外から受け取り核内へ伝えて遺伝子の発現を制御する受容体ファミリーの総称。男性や女性を形作る性ホルモン、炎症を抑える副腎皮質ホルモン、骨代謝、ミネラル代謝をつかさどるホルモンの刺激を受け取る受容体が古くから知られている。そのほかにリガンド未知として分類されているオーファン核内受容体がある。近年そのいくつかの分子のリガンドが同定され、メカニズム解明が進んだ結果、糖や脂質代謝、薬剤代謝に重要な分子が含まれることが示された。

抗体医薬品
抗体のもつ異物認識の特異性を利用し、ヒト型モノクローナル抗体を治療薬として利用した医薬品。ゲノム情報の進展から標的分子を最初から狙って創薬する時代が到来した。抗体は細胞表面にある分子であれば、静脈注射して標的部位まで投与可能なことから、モノクローナル抗体作製技術、ヒト化抗体作製技術を組合わせた医薬の開発が盛んに行われている。
ゲノム発現情報
遺伝子の設計図であるDNAから発現される(転写される)RNAの種類と量の情報。
ヒトの遺伝子は約2万2千個である。個々の肝臓、心臓といった各種細胞で実際に発現する(読まれる、或いは転写されタンパク質に翻訳される)遺伝子はその一部である。また、病気や癌でもこのパターンは異なっている。ゲノムの解析が進み、組織、細胞、や病気、薬効毎のパターンを理解して病気の原因探索や医薬開発に利用が進んでいる。
関節リウマチ
関節に炎症を生じる自己免疫疾患。関節が破壊されるにともない、関節痛や関節の変性・変形を生じる。鎮痛剤・免疫抑制剤を使った対症療法のみで、根本的な治療法はまだない。

さ行

生活習慣病
食事、運動、喫煙、飲酒等の生活習慣によって発症する疾患群と規定され、糖尿病、肥満、高脂血症、高血症を主体とする疾患を指す。これらの疾患はサイレントキラーと呼ばれ放置すると長期のうちに進行し、心臓疾患、脳血管障害を引き起こし、生命やQOLに関わる重篤な病気に進展する。
作用様式(機序)
薬剤などが投与されてから、その成分が細胞・組織などに到達・作用し、目的の効果を生むまでのしくみ。
親和性
ここでは抗体の親和性を指す。抗体が同じエピトープを認識してもその結合能力には違いがある。親和性は結合能力の強さを示し親和定数Kで表記される。

細胞障害活性
免疫系が感染細胞やがん細胞を排除する活性を示す。細胞障害活性は補体や抗体を介するものとT細胞, NK細胞、LAK細胞を介するものなどの分類がある。抗体医薬では前者の反応を利用して癌の治療他に役立てようとする。CDC及びADCC活性として定量化される。

自己免疫疾患
本来、外来物質のみに対して働くべき免疫系が自己の体の正常な細胞や組織に反応し、自己組織を破壊する病気の総称。関節リウマチ、1型糖尿病などが含まれる。

た行

タンパク質
アミノ酸がつながってできる分子で、脂質、糖とならぶ生体構成成分のうちの一つ。
動脈硬化
一般に動脈が肥厚し硬化した状態を動脈硬化と定義される。原因は、高血圧や高脂血症をもとに血管内皮の炎症を発端としたメタボリックシンドロームであり、長期間の緩慢な進行を経る。最終的に非可逆的な動脈壁の肥厚、狭窄、血栓を生じ心筋梗塞、脳血管障害という重篤な状態へ至る。
特異性
抗体の特異性を意味する。多様な抗原の中で交差(複数のエピトープを認識)
せず単一の標的とするエピトープのみを認識する特性を指す。

な行

Nomenclature(学術名称)
通常は一般学術名称の意味であるが、核内受容体分野では各々の研究者で一つの遺伝子に複数の名称がついていることが多いので核内受容体ファミリーの固有のナンバーをNuclear Receptors Committee (1999), A Unified Nomenclature System for the Nuclear Receptor Subfamily, Cell 97: 1-20.に基づいて命名している記号を指す。


は行

ポリクローナル抗体
通常、動物に免疫してその体内で合成される抗体。異物の構造を多面的に認識する抗体群の総称。一般に、外来異物に対して免疫ができたという場合、生体がポリクローナル抗体を体内に作り異物を排除している状態のことを言う。 ポリクローナル抗体はB細胞というリンパ球の集団から作られます。 ポリクローナル抗体を産業利用しようとすると、生産量は免疫する動物の血清量しか一度に採れず、抗体価などの品質も安定しない。 モノクローナル抗体は、このB細胞の1つを取り出して無限成長させる技術で作られ、決まった品質の抗体を大量に作ることに適している。

バキュロウイルス
昆虫のウイルスの1つ。カイコなどの幼虫に感染して伝播する。哺乳動物に感染することなく、昆虫培養細胞にて大量に哺乳動物のタンパク質を発現可能なことから、蛋白発現のツールとして着目され開発されてきた。大腸菌と哺乳動物をつなぐ位置づけで哺乳動物に近い天然構造の保持と大腸菌に近い発現の容易さをもつ。
発現技術
広い意味では遺伝子工学の技術を使いタンパク質を組替え合成する技術を指す。抗体作製や抗体医薬の関連する技術では、抗体を動物に免疫するために生体構造にできるだけ近いタンパク質を発現するための抗原タンパク作製技術、またマウスで作製されたモノクローナル抗体をヒト化して人体に適用するために改変する技術はこの範疇の技術を使用している。

標的分子
ここで使用されている標的分子とはゲノム創薬の対象とされる病気や癌に特徴的なタンパク質のことを言う。ゲノム情報などでこのような標的分子を特定して医薬品を創製する手法からは近年注目を浴びる分子標的治療薬と呼ばれる一群の医薬が作られている。グリベック、イレッサなどが一例である。副作用の問題が指摘されているが、その高い治療効果で評価は高い。
プロテオーム解析
生物のもつタンパク質の情報を網羅的に解析すること。遺伝子(DNA)やその転写物(RNA)は、設計図や個々の細胞毎の複写を受けた青写真として比喩されます。しかし、これらの情報はである細胞や体の蛋白質として最終的に合成され、様々な修飾を受けて機能を発揮しなければならない。DNAやRNAの網羅解析が進んだ現在、タンパク質の具体的な存在パターンを直接解析することが望まれている。しかし、DNAやRNAは人工的に増幅する技術があるので解析が比較的容易に進んできたが蛋白は増幅できないため感度が問題となっている。

ま行

モノクローナル抗体
1種類の抗体を多量に産生させる技術はケーラーとミルステインにより開発された。(1984年度ノーベル賞受賞)。 この技術で得られるモノクローナル抗体は、抗体を作るリンパ球と分裂能力を与える細胞株を融合して得られる細胞クローン(ハイブリドーマ)によって産生される。モノクローナル抗体は 1種類の抗体の無限コピーであり、1種類の異物(抗原)を特異的に認識する。 この抗体作製技術をもとに特定の癌や分子標的に対する医薬品を工業的に大量生産することが可能である。
免疫
免疫は外界の異物を認識する機能で、自己と他者を区別することが基本である。その仕組みは複雑で卵から子供が発生してくる中で免疫系が自分を教育して、自己を攻撃する部分を排除または停止させている、これを免疫寛容という。標的分子を抗原(異物)タンパクとして発現させ、それ対する抗体を作製しマウスに免疫することが医薬品を目指した第1歩である。
しかし機能の重要な分子であるほどヒトとマウス間で構造が類似しているため、免疫系が自己と認識する免疫寛容が問題となり、目的抗体が得られないことが多い。

ら行

リガンド
細胞が情報を受け取って働くときに伝令となる低分子物質のこと。つまり外の情報シグナルを伝達する低分子(運び屋、またはキャリアー)である。それを受け取る受容体は通常細胞表面または細胞質にありシグナル(リガンド)がくるのを待ち受けている。リガンドが受容体と結合するとその刺激が結果とし核内に伝達され遺伝子を励起する。核内受容体では受容体は細胞質にあり、脂溶性のリガンドが膜を通過して受容体と結合し、結合した活性型受容体が核内に入り標的遺伝子に結合して細胞が反応する。