ペルセウス通信

ANKLの医師主導治験の治験計画届が提出されました

2023年03月15日

みなさんこんにちは。ペルセウスプロテオミクス代表取締役社長の横川です。
本日、当社の抗トランスフェリン抗体PPMX-T003(以下T003)をアグレッシブNK細胞白血病(ANKL)の治療薬に用いる第I/II相医師主導治験の治験計画届が、広島大学より提出されました。

T003は、鉄の取り込みを阻害することで、がん細胞の増殖抑制や細胞死を導く抗体です。東海大学の幸谷教授の研究チームは、ANKLの増殖にトランスフェリンが関与することを発見し、T003をANKL細胞移植マウスに投与したところ、腫瘍が消失することを確認しました。この画期的な研究結果に基づいて、昨年3月に当社のANKLに関する研究開発がAMEDの稀少疾患に対する創薬支援事業(3年間で補助金2.5億円の受領を予定)に採択されました。

ANKLはAYA世代(15~39歳の若年世代)で多くの発症例が見られ、発症後は急激に症状が進む、予後の悪い超稀少疾患です。稀少疾患であるということは、研究開発が進みにくいことを意味しており、未だ有効な治療方法は見つかっておりません。非常に難易度が高く、手ごわい疾患ですが、当社はAMEDからの補助金を最大限に活用し、この稀少疾患に対する世界初の治療薬を目指して、開発に挑戦いたします。

今回の治験では元東海大学医学部の安藤教授が、広島大学に異動されて治験調整医師となり、広島大学病院を中心に全国6か所の医療機関で多施設からなる医師主導治験を行う計画です。今後、PMDAによる審査を経て治験を開始しますが、皆様には継続的にその後の経過をお知らせしてまいります。なお、T003は各種の血液がんに対して効果が期待される一方、赤血球のもととなる赤芽球細胞の増殖も抑制するため、赤血球が異常に増える疾患である真性多血症の患者さんでの第I相試験を現在実施中です。

皆様におかれましては、引き続き当社へのご理解・ご支援のほどよろしくお願いいたします。